アンネローゼ(グリューネワルト伯爵夫人)の弟がシャフハウゼン子爵家の代理人としてヘルクスハイマー伯爵に決闘に臨むという話はあっという間に貴族社会に広まりました。
社交界でも噂になっています。
貴族たちは、サロンにやってきたヘルクスハイマー伯爵に話を聞きたがります。
ヘルクスハイマー「いや、相手が素人の小僧では、勝敗は火を見るよりも明らか。皆様の耳目を集めるほどのことはありません」
完全になめきってますw
シュミットというプロの決闘者を雇っているので当然でしょう。
当のラインハルトはキルヒアイスと決闘のお勉強中です。
キルヒアイス「決闘は、基本的には同じ身分の者同士ではなくてはなりません。貴族同士の場合爵位は問われないようですが、貴族と平民とが決闘することは許されていません。また、現役の軍人の場合、決闘が許されるのは同じ階級の者同士に限られます」
あくまでも代理人である決闘者は貴族にとっては道具でしかないことを認識します。
ラインハルト 「俺は道具かっ!」
しかも、銃で決闘する場合には、火薬式の銃・・ブラスターの時代にですw
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ヘルクスハイマー伯爵家の代理人シュミットは、雪深い山奥の別荘で射撃の訓練に勤しんでいた。彼の雇い主、ヘルクスハイマー伯爵の別荘である。
さすがにプロ。火薬式の銃にもなれており見事な射撃の腕前です。
ヘルクスハイマー伯爵と一緒に射撃訓練を見学していたのがリッテンハイム公爵と奥方、そして娘・サビーネである。リッテンハイム公爵は、こののち本伝では、ガイエスブルグ要塞でキルヒアイスに追い詰められゲスな死に方をしますがそれは、まだ先のお話。
自分の娘サビーネを女帝しようと目論んでいますがアンネローゼ(グリューネワルト伯爵夫人)に皇帝の子供ができるとまずいので彼女を忌み嫌っています。
その弟が決闘者と知って、ヘルクスハイマー伯爵に自分の荘園を決闘場所として貸し出すといいます。
リッテンハイム 「その代わりと言ってはなんだが・・」
ヘルクスハイマー「承知しております。採掘権を手に入れた暁には、ハイドロメタルの軍への納入は閣下のお手を通して・・」
ラインハルトが言うように門閥貴族は腐りきっているようです。
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射撃場で火薬の銃を練習するラインハルトでしたがなかなか当たりません。
ラインハルト 「くっ、なんだこの銃は! 射軸が歪んでいるんじゃないのか?」
ルッツ 「銃のせいじゃないな」
このときは少佐だったコルネリアス・ルッツが登場です。ここでルッツと会ってるのかーっ。射撃の名手という設定なのでなるほどと思わせる登場のさせ方です。
同じ火薬の銃で見事に的に当てるルッツ。
ルッツに自由の撃ち方の手ほどきを受けるとコツを掴んでいくラインハルト。さすがです。
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ヘルクスハイマーが雇った決闘者シュミットは、果たし状を送ってきた謎の男と雪の森の中で決闘をしています。背中合わせに10歩歩いて振り向いて撃つというスタイルでの勝負です。
銃声が響き、謎の男の手から血が・・しかし・・
シュミット 「き、貴様…胸を撃つなど反則だ・・・ガハッ」
謎の男 「すまん。俺は決闘者じゃない、暗殺者だ」
これは、ベーネミュンデ侯爵夫人の雇った暗殺者。うまいことヘルクスハイマーの決闘者の後釜として潜り込めました。 ヘルクスハイマー的には、腕が立てば誰でもいいわけです。
ベーネミュンデ 「それでよい。これでしばしの楽しみができたというものよ。オろッホッホッホッ」
そして、ヘルクスハイマーからの正式な決闘の招待状がラインハルトに届きます。
宮廷の様々な思惑が跋扈する決闘劇・・ラインハルトの運命はいかに!!
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